「台湾が好き!」。その気持ちを、もっと日常に。
名古屋で日台交流を牽引する加藤秀彦さんが語る、台中夜市に込められた“本物”へのこだわり。台湾旅行経験者ならきっと心躍る、ディープな台湾体験が名古屋でできる理由とは?
2010年に「日台若手交流会」を起ち上げ、現在は「日台交流サロン」の代表をしている加藤秀彦さんに、日台交流の現状についてと今後の展望について聞いてみました。

「好き」から始まった日台交流の輪
日台交流の第一人者として、名古屋で幅広くご活躍されている加藤さん。その活動は、どのようなきっかけで始まったのでしょうか?
きっかけは「台湾が好きな人と楽しくおしゃべりしたいな」という、本当に軽い気持ちです。
社会人2年目の時、ふと海外旅行に行こうと思い立って選んだのが台湾でした。その旅行が心から楽しかったから、帰国後もなにか台湾と関わりたいと思って、コミュニティを調べました。
でも、当時は気軽に台湾について話せるような交流会が名古屋では見つからなくて。だったら自分で作ってしまおう!と呼びかけたら、10人ほどが集まってくれました。
「せっかくだから名古屋在住の台湾留学生も呼ぼうよ」という話が出たため、学生さん達に呼びかけて「神社で着物着付け体験」を開催しました。これが日台若手交流会の始まりです。

定期的にイベントを開催しているうちに、台湾に携わる多くの方々から「若い世代の交流は重要だ」と注目されるように。1年後には、台北駐日経済文化代表処(台湾の領事館)や航空会社の方々までが参加する、大きな会へと成長していきました。
日台若手交流会は、年に2回、夏には「初夏の集い」、冬には「大忘年会」という大規模なイベントを開催しています。台湾好きなら誰でも参加OK!という気軽な会で、毎回100名もの参加者が集まり、交流を楽しんでいます。

準備期間1ヶ月!コロナ禍に1万人を魅了した「台中夜市」誕生秘話
日台若手交流会だけでなく、毎年秋に名古屋の街を彩る「台湾・台中夜市」の立ち上げにも深く関わっているそうですね。
はい、台中夜市はまさにゼロからの立ち上げに携わりました。
2019年10月に名古屋市と台中市が姉妹都市協定を結びました。その約1年後の2020年9月末頃だったでしょうか。名古屋市から「交流1周年を記念したイベントを開催したい」というご相談をいただいたんです。しかし、開催日の候補は2020年11月上旬。準備期間がたった1ヶ月しかない中、企画したのが「台湾・台中夜市」でした。
台湾の人々の生活に深く根付いている「夜市」を、名古屋でリアルに再現したい。
やるからには中途半端なものにはしたくない、という強い想いのもと準備を進めました。出店していただくお店は味も雰囲気も“本物”にこだわり、厳選した上で協力のお願いにまわる日々。
大変苦労しましたが、名古屋市をはじめとする関係者の皆様の多大なるご尽力のおかげで、無事に開催までこぎつけました。そして、コロナ禍での初開催にもかかわらず、なんと1万人ものお客様にご来場いただいたんです。
「台湾に行けない日々が続いていたけれど、ここで気分だけでも味わえてよかった!」
「なかなか台湾に帰郷できなくて寂しい思いをしていた中で、懐かしい味に出会えて心が温まった」
このようなお声をたくさんいただき、胸がいっぱいになったことを今でも鮮明に覚えています。大好評を受けて、翌年からは毎年秋の恒例イベントとして開催。今では来場者8万人を超える、名古屋を代表するイベントに成長しました。

「本物の台湾」を追求する情熱が生み出す、唯一無二の体験
8万人もの人々を惹きつける台湾・台中夜市。その一番の魅力は何でしょうか?
何よりも「本物の台湾」を追求していることです。
私たちの根本にある目的は、日台交流を深め、「台湾が好き!」という人を増やすこと。だからこそ、お客様に心から喜んでいただくために、出店者さんの選定には一切妥協しません。どのお店で何を食べても、まるで台湾現地の夜市にいるかのような本場の味が楽しめるイベントなんです。

実は、以前ある台湾人の経営者の方から、「いい加減な台湾イベントならやるな!」という厳しいお言葉をいただいたことがあります。
この言葉を常に胸に刻み、「本物」へのこだわりを追求し続けています。来場される皆さんには、台湾の魅力をよりディープに知ってもらえるイベントへとこれからも成長させていきたいですね。
ちなみに、この台湾・台中夜市を開催するためには、関係各所に400枚もの書類を提出する苦労があるんですよ。これはここだけの話にしておきましょうか(笑)。
台湾・台中夜市から始まる、もう一歩踏み込んだ交流へ
なんと!400枚もの書類とは驚きです。
その情熱なくしては、これほどのイベントは開催できませんよね。今後、さらに日本と台湾の交流を深めるためには、どうしたらいいと感じていますか?
私が日台交流の活動を始めた15年前に比べると、台湾の認知度は格段に上がったと感じています。これは本当に素晴らしいことです。
ただ、現状では「台湾に旅行に行って満喫した」で終わってしまっている印象も拭えません。そこからもう一歩踏み込んだ、継続的な交流を促していきたいですね。
そのためには、やはり若い世代の交流が非常に重要だと考えています。
名古屋市教育委員会が行っている市内公立高校生の短期留学(海外派遣)で、台湾に行く子もいると聞いています。台湾を好きになる一番のきっかけは、「台湾の人との交流」であることが多いので、これは非常に素晴らしい取り組みです。日台交流に興味を持つ若者が増えれば、きっと大きな盛り上がりを見せるのではないでしょうか。
目標は「秋の風物詩」!名古屋から広がる日台交流の未来
日台交流における、今後の展望についてお聞かせください。
名古屋市は日台交流に深い関心を寄せています。また、日台交流活動に積極的に関わってくださる市議会議員さんもたくさんいらっしゃいます。これは非常に大きな強みです。市、議員の皆さん、私たちのような市民団体が同じ方向を向いて日台交流を進められているのは、全国的に見ても珍しいケースではないでしょうか。この強みを最大限に活かして、名古屋と台中、そして日本と台湾の交流をさらに広げていきたいですね。
ありがたいことに、台中市にも、私たちと同じく「交流を深めたい」という思いを持つ方々がたくさんいらっしゃるんですよ。2024年10月26・27日に台中市内で行われた「2024台中名古屋夜市×西川祭」には驚かされました。ここは名古屋かな?と錯覚するぐらい、日本文化と名古屋の味が溢れる夜市でした(笑)
私の当面の目標としては、台湾・台中夜市を名古屋の「秋の風物詩」にすることです。
そして、台湾出身のアーティストや芸術家の活動を応援する取り組みも積極的に行っていきたいと考えています。長期的な目標としては、日台の交流が「日常的」に行われること。特別なイベントとしてだけでなく、日台交流が私たちの生活に自然に溶け込んでいけると嬉しいですね。

今年も名古屋に“本物の台湾”がやってくる!
熱い思いが詰まった「台湾・台中夜市」。
今年も名古屋の街で、本場の熱気と美味しさを体験できます。
台湾旅行の思い出に浸るもよし、次の旅行の予習をするもよし。
ディープな台湾に触れてみませんか?

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